2010年8月30日月曜日

きらりと光るダイヤの原石

青山Blue Noteで小曽根真さんのジャズ演奏を聴いた。
ご自身が教鞭を取られる国立音大の学生で構成されるNewtide Jazz Orchestraを率いての公演。恐るべし大学生、恐るべし小曽根さん。

第41回山野ビッグバンドジャズコンテストで4年連続優勝した、という国立音大生10数名の力量もさることながら、あれだけ学生にジャズの顔、ジャズの雰囲気まで植え付けた先生の力は偉大である。学生たちが実に楽しそうに、音の調和と場の醸成を楽しんでいるのだ。
小曽根さんご自身は、ビッグバンド流の編曲を学ばれるために、若き日にバークレー音大に留学されたと言う。日本発でこんな潮流を作りだした功績は偉大である。彼が率いるNo Name Horsesは精鋭揃いのスーパービッグバンドである。
しかし、もし彼が一番評価されるとしたら、これだけ若き才能を掘り起こして結集した、ということではないだろうかと思う。

聴きながら、先日、証券アナリスト協会元会長の鈴木行生さんと、フィスコの三木会長とのミーティングで鈴木さんが仰っていた言葉を思い出した。
「4000社ある上場企業の中で、これから消えていく会社も多いと思うが、その中でダイヤの原石を見つけたい」と。鈴木さんは、協会をやめられた後、一アナリストに戻られる、というご決意の基、日本ベル投資研究所を立ちあげられ、原石探しに邁進されている。上場会社についてリサーチをし、レポートを書き、一人でも多くの投資家に、その原石が周知されるべく、力を尽くされるお考えとのことである。

今日聴いた学生たちの演奏はまさに原石が磨かれた姿であった。トランペットも、サックスも、ドラムスも、聴く者の心に響く音楽。観客の拍手は鳴りやまず、ダブルアンコールで応えてくれた。

自戒の念を込めてではあるが、例えば従業員教育で見た場合、今は企業の側が「即戦力」を求めすぎて、原石を磨く労力を惜しんでいないか、と思う。
恥ずかしながら弊社も教育している余裕はなかなかない。ただ、もし自分に少しでも余裕ができたら、あんな風に率いる人も、周りの人も、みんなを笑顔にさせられるような、そんな仕事がしたい、と強く思った。

2010年8月24日火曜日

日本の電力比率について

長野県乗鞍岳。幼いころから幾度となく訪れているこの山に、大学の寮を冷やかしついでにこの夏も足を延ばしてみた。 松本から乗鞍への道中、今まで何気なくて通っていたいくつかのダムが気になり、「梓川テプコ館」に寄って水力発電について少し覗いてみた。
梓川に沿って、上流から、奈川渡(なかわど)ダム、水殿(みどの)ダム、稲核(いねこき)ダムと3大ダムが並ぶ。地下発電所見学ツアーはあいにく時間の都合から断念したが、水力発電の水を並々と湛えた姿はまことに美しく、日本が水資源の豊富な国であることを再認識する。また、水力は古くて新しいクリーンエネルギーであることにも改めて気付く。

机上で調べられる最新のデータで、2007年度の統計では、水力7%、火力70%、原子力22%とあり、水力発電のボリュームは1965年当時からほとんど変わっていないということが分かる。
http://www.iae.or.jp/energyinfo/energydata/data1006.html
原子力技術で世界をリードする日本がこれだけ火力主体の国であることにもまた、改めて驚く。
IEAベースの日本の石油依存度は日本が46%なのに対し、米国42%、英独37%と先進国中でも群を抜いて高い、ということも改めて勉強してしまった。
(石油依存度(%)=(一次エネルギー総供給のうち原油と石油製品の供給)/(一次エネルギー総供給)×100とのこと http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2009/2.pdf より)
 
そして八ッ場ダムの騒動を思い出して、ダム建設にまつわる諸問題、水没による住民生活や環境の破壊、補償を含む莫大なコスト、などを想起し、またダム建設時の様々な苦労などを当時の関係者などから話を聞いて、ただただ美しいと思ってしまったことが少し恥ずかしくなったのでした。

2010年8月18日水曜日

「強い」経営と企業のサステナビリティについて

日本は100年以上続く企業が多いということで、よく話題になりますが、では元気の良い状態でどのくらいもつのでしょうか。
Visionary CompanyやThe will to manage(マッキンゼー経営の本質)などを読むと、当時もてはやされた企業が、その後「大企業病」に陥っていく様を見ているだけに、良い経営、強い経営、とサステナブルかどうかはどこまで相容れる概念なのか、が不思議に思われます。

創業社長で上場を果たされた社長さんに、お目にかかることも多く、お会いしていてカリスマ性を感じます。ただ、がむしゃらな成長と従業員の幸せ度がかけ離れているように感じることもあります。会社を調べるのが本業なので、ついつい気になって調べてしまいましたが、それぞれ直近の有報で勤続年数を較べると、
楽天 2.58年、ソフトバンク4.4年、SBI 4.4年、ワタミ 7.1年、ファストリ 7.7年
といった感じです。もちろん、人の入れ替えが早くそれだけ活気がある、という解釈をすることもできましょう。ただやはり、強烈なカリスマと社員の居心地の良さは相いれないのか、とも思えます。

孫子の兵法を学んでいると、こうした経営者の顔がだぶって見えてきます。恐らく皆さん勉強されてきているのでしょう。九地篇には部下のやる気の引き出し方は出てくるのですが、平時のやる気ではなく、あくまで戦いの場においてのものなのですよね。兵法は戦略については粒さに書かれていますが、「兵法」だけあって、平定した後のオペレーションについては、ほとんど書かれていないのが興味深いところです。孫武が仕えた呉が中国統一でもしていれば、また別の視点があったのでしょうが。

戦いに強い企業が永続するかどうか、ここがとても興味のあるところです。 社員が居心地が良ければ会社は永続するというのは短絡的な議論でしょうが、少なくとも経営者と社員がベクトルが合っている会社は成長と永続性の両方を満たすに近づくことができるように思います。

たくさんの会社とお仕事をしてみて個人的に思うことは、社長がニコニコしながら求心力になっている会社というのはお仕事をさせていただくのが心地よく、それが多様なステークホルダーにとっても、安心感を持って接することができる会社の一つの条件のように思います。
このお盆中も結局ほとんど休まずに数社の経営者の皆様とお仕事させていただきましたが、暑さの中でも元気が出る皆様でした!