青山Blue Noteで小曽根真さんのジャズ演奏を聴いた。
ご自身が教鞭を取られる国立音大の学生で構成されるNewtide Jazz Orchestraを率いての公演。恐るべし大学生、恐るべし小曽根さん。
第41回山野ビッグバンドジャズコンテストで4年連続優勝した、という国立音大生10数名の力量もさることながら、あれだけ学生にジャズの顔、ジャズの雰囲気まで植え付けた先生の力は偉大である。学生たちが実に楽しそうに、音の調和と場の醸成を楽しんでいるのだ。
小曽根さんご自身は、ビッグバンド流の編曲を学ばれるために、若き日にバークレー音大に留学されたと言う。日本発でこんな潮流を作りだした功績は偉大である。彼が率いるNo Name Horsesは精鋭揃いのスーパービッグバンドである。
しかし、もし彼が一番評価されるとしたら、これだけ若き才能を掘り起こして結集した、ということではないだろうかと思う。
聴きながら、先日、証券アナリスト協会元会長の鈴木行生さんと、フィスコの三木会長とのミーティングで鈴木さんが仰っていた言葉を思い出した。
「4000社ある上場企業の中で、これから消えていく会社も多いと思うが、その中でダイヤの原石を見つけたい」と。鈴木さんは、協会をやめられた後、一アナリストに戻られる、というご決意の基、日本ベル投資研究所を立ちあげられ、原石探しに邁進されている。上場会社についてリサーチをし、レポートを書き、一人でも多くの投資家に、その原石が周知されるべく、力を尽くされるお考えとのことである。
今日聴いた学生たちの演奏はまさに原石が磨かれた姿であった。トランペットも、サックスも、ドラムスも、聴く者の心に響く音楽。観客の拍手は鳴りやまず、ダブルアンコールで応えてくれた。
自戒の念を込めてではあるが、例えば従業員教育で見た場合、今は企業の側が「即戦力」を求めすぎて、原石を磨く労力を惜しんでいないか、と思う。
恥ずかしながら弊社も教育している余裕はなかなかない。ただ、もし自分に少しでも余裕ができたら、あんな風に率いる人も、周りの人も、みんなを笑顔にさせられるような、そんな仕事がしたい、と強く思った。