2011年4月5日火曜日

震災と復興 --神戸との比較

さて、少し頭の整理のために簡単に調べていたのですが、今回の被災地3県(岩手、宮城、福島)の県内名目GDPは国全体の4%弱(少しdata古いかも)で、95年の阪神大震災で被害を受けた兵庫県の当時の比率(約4%)とほぼ同等。しかし、相対的に極地的なヒットだった阪神大震災の道路、鉄道、港湾施設などのストック毀損額が.8-.9%だったのに比して、今回の毀損は甚大(Moody'sは復興資金ベースで1.5倍と試算)で、その面での生産押し下げ要因は大。

特に自動車部品供給のストップをはじめ、サプライチェーン全体への影響も今回は甚大であり、代替生産が進むまでには時間が必要。この点と、復興費用による財政環境のさらなる悪化を懸念する声が海外の投資家からは現在もっとも強いように感じます。
阪神大震災当時の財政赤字はGDPの約90%でしたが現在は2倍以上。ドル円の相場も当時より15円以上円高に振れています。

震災後の神戸で3年間銀行員をした身として、一番堪えたのは、確かに復興需要による経済特需というのは国全体で見ると大きな望みですが、これは被災地外の企業にとってのメリットであって、一度震災を機に外部に機能移転された場合、よほどの要因がなければ戻らないということでした。
特に神戸港の港湾機能は釜山に持っていかれ、大企業の「東京臨時本部」が恒久的になったり、中小企業の大阪や東京への移転により、神戸の産業は空洞化し、港湾の荷物取扱量は震災前に戻らず。
今回さらに心配なのは、当時よりますます グローバル化が加速している中、さらに原発影響の不透明さも手伝って、外資系を含めて中長期的に日本国外に生産拠点を移転する決断をする企業が増加するであろうこと、です。

Why Japan?という問に対して、常に身を張って来たつもりですが、ますますこれは手ごわい状況になりました。
ただ!そうとばかりは言っていられないので、Albaでも企業のみなさまの復興サポート企画を練っています。早くご案内できるよう、体制を整えたいと思います。