長男は公立の小学校に通っています。
イマドキの学校が押し並べてそうなのか、この学校特有なのかは分かりません。
が、とにかく「学校公開」、昔で言う「授業参観」が多いのです。
月に1回くらいのペースであります。
土曜に開催される時はまだしも、平日にあったりすると、ワーキングマムは頑張って半休を取るなどするか、諦めるかしかありません。
子供たちは、というと、学年が低ければ、親が来ると嬉しそうに手を振って、ほっと安心して前を向き授業に集中。親に「恥ずかしいから来るな」、なんて言い出す年になってもまだ、実は親が来るのかどうか、何度もちらちら後ろを見ているものです。
わが子のその姿を想像すると、母親としては、仕事をしていることが良いことなのか、それとも職場やお客さんに多少迷惑をかけてでも出席するべきなのか、いつも悩めるわけです。
育児中の仕事のスタイルについては、「ワークライフバランス」なんていう言葉の中の一つとして、十把一絡げにされがちです。でも、中を分類していくと実に細かいバランスが必要。
それは、出産後、保育園に預け始める頃から始まって、ずっとずっと背後霊のようにつきまとわれる問題なのです。
出産して一ヶ月検診という名の初めてのお出かけが終わると、まず怒濤のような予防接種。ものによって、同時に複数打てたり、既に打つ前から混合になっていたり、一週間後にもう一度受けられるもの、1ヶ月経たないと受けられないもの、本当に複雑。仕事に復帰してからも、この工程は数年続きます。病院が土曜にやっていたとしても、混んでいて病気をもらいがち、だったらやはり平日半休を取って連れて行くか、とか。
それと並行して、保育園に預けるのか、保育園は認可園に入れるか、認証だとどのくらいの負担か、ベビーシッターなどの補助を頼むとどのくらいの出費か、仕事での収入に対して、どこが損得の分岐点なのか。そして預けるとして、育児休暇をどこまで取るのか、復帰したら時短とするのか、そうするとどのくらい収入が削れるのか。などなどなど。
幼稚園に上がる年になったら、保育園から幼稚園に転園させるべきか。お稽古は人並みにやらせたい、とするとどういう手段で送り迎えするのか。お稽古代を稼ぐためには、やはり仕事はやめられないのか。幼稚園に行くとすると毎日作るお弁当と遅いスタート時間。どうやりくりするか。
途中でいったん職場を退いた後、どうやって復帰するか、その時にはどんな職種がありえて、はたからはどんなサポートがありうるのか。
どんどん書いていくと、こんなことに興味のない方には恐ろしくつまらない投稿になってしまうので、この辺でいったんやめます。
こう長々書いてきて思うことは、一番の問題は、こういうさまざまな悩み、その時々の決断、その結果としての負担を、主に世の母親のみが担当させられてしまっていることではないでしょうか。
上記に書いてきたことの多くは、自分も悩んできたことであり、そして多くの友人の相談に乗ってきたことでもありました。仕事と育児の板挟みで、すりきれそうになって心身ともに病んでいる友人もいます。
中途半端な時間でしか働けないことによるストレス、子育てに十分に時間を割けないことに対する後ろめたさ、散らかった家を片付ける時間のないことによる自己嫌悪、そんなのを全てを背負って、日本のワーキングマムたちは歯を食いしばってたりするわけです。
女性の社会進出に数値目標を、とかワークライフバランスの充実のために男性も育児分担を、とか、どちらもとても良いことだけれど、そんな簡単な言葉で言い切れちゃう話なんかじゃぁ全然ないわけ。
今月の「学校公開」も仕事で行ってあげられなかったり、昨日はそもそも子供を持つことに不安を感じている働く若い女性と話したりして、ふと心にスイッチが入ってしまいました。
これはまずはジャブ。こういうことにも、もっと声をあげていかないと。