2015年9月22日火曜日

アルバ・エデュのブログを更新しました。Vol13.「スウェーデン大使館イベントを振り返って」です

http://www.alba-edu.org/staff_blog/staff_blog-616/

少し前のお話で恐縮ですが、アルバ・エデュの活動開始1周年を祝し、8月25日にはスウェーデン大使館でおとなもこどももいっぱい話そう!というワールドカフェスタイルのイベントを総勢約100名で開催しました。

大使館の広報担当の方に最初スウェーデンの暮らしについてお話をしていただき、「長い夏休みがあり、宿題が出る代わりに外での体験を重視、テレビは番組数も少ないこともあり、だらだら見る習慣はなく、家族が政治問題などを親子で話す機会が多い、ホームパーティーも多く、子どもが周囲の大人と話す機会も多い」などなど、意外に知らない側面を教えてもらいました。

スウェーデン人は日本人に比べ、子どもを持つ親を含めて労働時間が短い国の一つです。その分、家族や友人と旅行したり、会話をしたりという時間が多いそうです。翻って、日本の子どもたちの座学主体の勉強スタイルや、公園で輪になってゲームをやっている姿が目に浮かび、人と対話をしたり、自分自身を口頭で表現したりという部分が欠落しているではないか、そんな風に改めて感じたのでした。

イベントの後日談として、スウェーデン在住の方からは、学校が宿題を出さないのは、親が子どもへのストレスを過大視しているからで、スウェーデンの学力低下の原因の一つになっているという裏の側面も伺いました。何事にも裏と表があるということではあるのですね・・・ただ、数字で評価する「学力」以外の大切なものを学んでいるのではないかと思うのです。

さて、大使館イベントでの話しに戻りますが、それらを受けて、チームに分かれて話をした上で、自分がもし日本の首相になったら、どんな国を設計してみたいか、というお題で発表をしてもらいました。
子どもたちからはなかなか斬新なアイディアが出ていました。もっと広くてのびのび遊べる家しか建てられないようにしたら良い、漢字や計算などつまらない授業ばかりではなくて、美術館に行ったりもっと自由な学ぶ方法があって良い、英語が簡単に話せるようになる秘訣を学んだ方が良い、日本は四季があって自然もある、もっと良い面をうまく発信したら良いのに、などなど。

私がこのアルバ・エデュの活動を始めた最初の頃は、人前で自分の考えをうまく発表・発言できるようになって、それで自信をつけて、社会に羽ばたいてほしい、そんな風に考え、プレゼンの練習をする機会を作ってきました。今後も大事なことだと思うのでやっていきたいと思う一方で、そのような本番力をブラッシュアップすることに加え、その根底の力でもある対話の力を磨くことも大事ではないかと考えるに至りました。日常のコミュニケーションの場を増やせば、否応なく自分の話もすることになり、「自分の意見が持てない子ども」という教育現場での悩みも払しょくできるのではないかと思うのです。

今後は発表本番の場数を準備するとともに、今後も親子や地域でふつうに会話が弾むような仕掛けをどんどん考えて実施していきたい、そんな風に考えています。