2012年10月9日火曜日

学校教育費の対GDP比


先日、ブラジル資本市場のセミナーで、ブラジルは対GDPで教育費がここ5年、毎年5%を超えている、それだけ次世代に対して投資をしている、という話がありました。

自慢すべき水準なのだろうが、いったいこれは相対的に見たらどんな水準なのだろうと思って調べてみました。原典にあたる時間はないですが、『社会実情データ図録』というサイトにこのような一覧があったので、引用させていただきました。



なんと日本の水準の低いこと。特に公的支出の値は調査対象の29か国中最低水準となっています。
教育は公的支出の対象となる社会保障ではなくて、個々人の投資に依拠してきたということなのですね。

アイスランド、デンマーク、スウェーデンといった北欧諸国や、イスラエルの値が高く、私費負担含めて米国や韓国が高いというのはうなずけます。
仕事先で特に金融関連の人材には、米国にいるユダヤ系の人間が多いのですが、その知り合いたちの子供のころから親が教育にかけてきた投資、というのを聞くとその熱心さにただただ舌を巻きます。
韓国は受験戦争が厳しく、私費負担が高いから少子化になっていると理解していましたが、 やはり突出して高いのですね。

これって実は「将来の国力」に密接につながる話なんじゃないか?!ってとても心配になります。

日本の今後の教育投資を占うという上では、中央教育審議会が今後の教育投資の水準について議論しているようですが、そこでは高齢者福祉などにさらに傾斜するために、教育向けの予算は削ることも念頭にあるとのこと。これではますます少子化傾向に拍車がかかるのではないかな、とこの結果を持って思いました。