永野健二さん著『バブル』、久々に怖い本を読了しました。読み始めたら止まらなくて、おかげで寝不足です。
バブルの萌芽の時期から、清算されるまでを日経の元証券部記者が絶妙な筆致で描いています。
これまでバブル関連のいくつかの本は読んでみたけれど、どちらかというと理論寄りの本ばかりだったので、今回、実名入り、実額入りの記録に震えました。
これまでバブル関連のいくつかの本は読んでみたけれど、どちらかというと理論寄りの本ばかりだったので、今回、実名入り、実額入りの記録に震えました。
私が学生の頃、ケント・カルダー著『戦略的資本主義』を読み、そこに名のあった銀行にあこがれて入ってしまったのですが、今回この本によりその判断が実はコトの一側面しか見ていなかったことを改めて知りました。
もしその時にこれらの事実を知っていたら(当時はまだ明るみに出ることはなかったでしょうが)、その銀行に入ることを選択したかどうか・・とつくづく思う一方、
「え、とくやま、まだ『バブル』読んでないのか、早く買って勉強しろー!」、なんてお昼ごはんをご馳走してくださりながら、いまだにいろいろご指導くださる元上司たちや日々お世話になる先輩や同期たちにも巡り合えなかったのだと思うと、いやいややはり自分の選択は正しかったんだな、なんて思ったり。
もしその時にこれらの事実を知っていたら(当時はまだ明るみに出ることはなかったでしょうが)、その銀行に入ることを選択したかどうか・・とつくづく思う一方、
「え、とくやま、まだ『バブル』読んでないのか、早く買って勉強しろー!」、なんてお昼ごはんをご馳走してくださりながら、いまだにいろいろご指導くださる元上司たちや日々お世話になる先輩や同期たちにも巡り合えなかったのだと思うと、いやいややはり自分の選択は正しかったんだな、なんて思ったり。
人生にたらればがないのと同様、歴史にもたらればはないのですが、この本はバブルに突き進んでいった日本経済の瞬間瞬間を実に巧に切り取って表現しています。
NTT株の公開時についに国民レベルにまでバブルが広がった場面で、「当時は政治家も官僚も民間の経営者もそのことに気づく人はほとんどいなかった。気づいてもその流れに逆らう空気は生まれなかった。」というくだりでは、今の世界的な風潮が重なり、恐ろしく感じます。
そして、「会社の経営をぎりぎりのところで守るのは、運や偶然ではない。いつの時代も、現場への信頼と、組織としての規律、そして経営者の決断である。」という言葉も印象に残りました。
そして、「会社の経営をぎりぎりのところで守るのは、運や偶然ではない。いつの時代も、現場への信頼と、組織としての規律、そして経営者の決断である。」という言葉も印象に残りました。
筆者の永野さんは、若者がバブルに対するあこがれを口にするのを聞いて、啓蒙が必要だと感じたと書かれています。この本を読むとそれがとてもよくわかるかと思います。当時、現役だった方にはぜひお話を伺いたいですし、若いみなさんにもぜひ読んでいただきたい一冊です。
みなさま、今年も面白い本があったらどんどん教えて下さい。
(Aska)
(Aska)